チュートリアル:光ファイバー・ロータリー・ジョイント

チュートリアル光ファイバーロータリージョイント

光ファイバーロータリージョイント(FORJ)は、電気的なスリップリングに相当する光学的なジョイントです。光ファイバーの軸に沿って回転しながら、光信号を途切れずに伝送することができます。FORJ は、ミサイル誘導システム、ロボットシステム、遠隔操作車両(ROV)、石油掘削システム、センシングシステム、医療機器(OCT)、放送など、ねじれのないファイバーケーブルが不可欠な分野で広く使用されています。

テクノロジー

素早く特許を検索すると、2チャンネルやマルチチャンネルの光ファイバーロータリージョイントに関する発明が何百も出てきます。しかし、商業的には、限られた数の設計原理しか実用化されていません。Princetel では独自の技術を使って、デュアルポート (2チャンネル) およびマルチポート (多チャンネル) FORJ の双方を容易に応用することができます。当社は、より優れた性能を持つエキサイティングな新しい選択肢をお客様に提供致します。

主要パラメーター

FORJ の唯一の機能は、2本または複数のファイバーケーブルの間に自由に回転させながら接続を提供することです。したがって、デバイスの挿入損失が低く、挿入損失のばらつき(ワウ)が小さく、リターンロス(FORJ が発生させる反射の量を特徴付ける指標)が高く確保することが極めて重要です。

挿入損失:3dBの挿入損失は50%の伝送に相当します。一番よく使われているメディア・コンバーターは、15dB以上の光バジェットを提供しています。しかし、コンバーター・ペア間には多くのファイバー接続やコンポーネントが存在し、それぞれに損失が生じます。そのため、光ファイバーのロータリージョイントを通して比較的低い挿入損失を維持することが不可欠です。Princetel のシングルチャンネル FORJ の標準的な挿入損失は0.5dBで、デュアルおよびマルチチャンネルでは3dBです。

挿入損失変動(ワウ):カップリング条件の変化により、FORJ が回転するにつれて損失が変動するのは自然なことです。しかし、この変動があるレベルに達すると、S/N 比(信号対雑音比)が劣化します。ワウ値が御社の応用で重要な場合、Princetel のシングルチャンネル FORJ をお選びください、これは±0.25 dB 未満のワウ値を特徴としていますから。ロータリー・ジョイントのワウは、デバイスの全体的な状態を示す重要な指標でもあります。これは、物事がうまくいかないときに、常に最初にチェックすべきものです。例えば、FORJ が突然著しく高いワウを示した場合、FORJ の故障であることはほぼ間違いありません。そうでない場合は、コネクタの不良やファイバーの断線など、他の原因が考えられます。

リターンロス:すべてのレーザー光源、特にDFB(分布帰還型)レーザーは光反射の影響を受けやすく、それがスペクトル変動、ひいては出力ジッターの原因となります。リターンロスとは、光学システムで発生する反射の量を表す指標です。‐45dBの反射は45dBのリターンロスに相当します。シングルモードファイバでは、多チャンネルのFORJでも60dBという高いリターンロスが得られますが、マルチモードでは40dB程度が一般的です。

40 dB のリターンロスは、正常なシステム動作を保証するために FORJ のようなシングルモード受動部品に求められる業界共通の仕様です。Princetel の FORJ はすべてこの要求仕様を満たしています。標準オプションとして 50dB または 60dB を提供することも可能です。

シングル・チャンネルとマルチ・チャンネルの比較

シングルチャンネル FORJ は非常にシンプルな機械構造であるため、小型、高速、高信頼性、長寿命を実現しています。シングルモードファイバ1本で、数十チャンネル
(数百チャンネルまでとは言わなくても)の電子データチャネルを伝送することができます。n‐チャネル・マルチプレクサと単一チャネル FORJ を組み合わせた場合のコストは、マルチプレクサを使用しない n‐チャネル FORJ よりもはるかに低く抑えることができます。

2チャンネル FORJ が絶対に必要なお客様のために、Princetel はコンパクトなパッケージと優れた性能をリーズナブルなコストで維持する同軸設計を提案致します。また、この設計にはどのような回転角度でも「デッドスポット」がありません。

マルチパス(マルチチャンネル)FORJを簡便に使えるためには、もっと複雑な機械構造が必要になります。また、上記の3つの重要な領域すべてで良好な性能を維持するためには、慎重な光学アライメントが必要です。アライメント不良や不適切な光学設計は、主要な光学性能を損なうだけでなく、高い波長依存性損失、高い PDL(偏波依存性損失)、高い PMD(偏波モード分散)、高いクロストークなど新たな潜在問題を引き起こすことが可能です(後述)。Princetel の独自的マルチチャンネル設計により、標準では12チャンネル、カスタムソリューションでは数十チャンネルというチャンネル数を可能にします。

波長依存性損失は、波長に対する挿入損失の均一性を示す指標で、普通は850nm、1310nm、1550nmなど複数の波長があるからです。光学システムに高分散素子が含まれている場合、波長依存性損失が問題になることがあります。1310 nmと1550 nmの挿入損失差は0.5-1.0 dBが一般的に許容されます。

波長依存性損失と同様に、偏波依存性損失は、挿入損失の偏波に対する均一性の尺度です。一般的な光ファイバーシステムでは、入力偏波がランダムに変化します。0.1dB以下が受動部品の業界標準とされています。入射角が正常でない光学部品は、高いレベルでPDLを発生させることが知られています。

偏波モード分散は、直交する2つの偏波モードの移動速度の違いによるパルスの伸びの尺度です。自然または誘導された複屈折は、システムにPMDを引き起こします。0.1ピコ秒(ps)以下は、受動部品の一般的な要件です。PMDは通常、信号帯域幅がギガビット以上でない限り考慮する必要はありません。

クロストークは、隣接するチャンネル間で交差する信号の量を測定します。数値が高いほど、交差が少ないことを意味しています。例えば、60dBのクロストークは、隣接するチャンネルへの100万分の1のクロスとの意味です。クロストークの要求はシステムによって異なります。一般的に、システムの光バジェットが高ければ高いほど、クロストークの数値も高くなるはずです。Princetelのすべてのデュアルおよびマルチチャネル FORJ は、代表的な数値として 60 dB を超えるクロストークを提供しています。

シングルモードとマルチモードの比較

シングルモード・ファイバーのファイバー・コア(9ミクロン)は遥かに小さいため、光ビームは最も純粋な形、数学的に完璧なガウス・プロファイルで維持されます。シングルモード・ファイバーの帯域幅容量は、マルチモード・ファイバーよりもはるかに大きいです。また、帯域幅はファイバーの長さへの依存度が非常に低く、簡単に拡張することができます。総合的に見ると、マルチモードシステムはシングルモードよりもコスト面で依然として有利です。しかし、シングルモードの人気が高まるにつれて、その差は縮まっています。

サイズ

受動光ファイバー部品の歴史は、サイズが重要であることを証明してきました。実際、サイズの縮小は、長い間、技術革新の原動力の 1 つとなりました。ほとんどの FORJ は、電気スリップリング、RF ロータリージョイント、または流体ロータリユニオンに使用されます。システムの中心を占める FORJ の直径は、多くの場合、システム全体のサイズを左右します。通常、FORJ が小さいほど、システム全体のコストが低くなります。

ピッグテールとレセプタクルの比較

FORJ は、デバイスの両端にピグテールまたはレセプタクルを付けてパッケージされることができます。ピグテールバージョンは、コネクタ接合部の不確実性を排除するため、通常、より再現性の高い光学性能を発揮しています。ピグテールバージョンのコネクタに欠陥があった場合、簡単に再調整や再成端することが可能ですが、レセプタク ルバージョンのコネクタに同様の欠陥があった場合、不可逆的な損傷につながる可能性があります。

このような理由から、ほとんどのお客様にはピグテールタイプをお勧めしています。ただし、デバイスにピグテールが固定できない応用には、Rシリーズ FORJ の FC および ST フォーマットのリセプタクルをご提供させて頂きます。また、一つのデバイスにピグテールとリセプタクルを混在させる特注配置も可能です。

センターボア

市販されている標準的な FORJ のほとんどにはセンターボアがありません。それがある製品であっても、本当の受動 FORJ ではありません。言い換えれば、出力ファイバーがフォトディテクターに置き換えられています。センターボア付き受動 FORJ の設計は、比較的困難です。Princetel では、さまざまな潜在的な用途をターゲットとしたセンターボア付き受動 FORJ を数種類設計しています。お問い合わせの際は、以下の主要パラメータをお知らせください。

ファイバー数
ファイバータイプ
ボア径
各ランにおける回転制限または無限回転
全体の最大寸法

液体充填

FORJは、水密性と均圧性が重視される水中応用で広く使用されています。液体充填は圧力補償を可能にするだけでなく、潤滑とインデックスマッチングを提供します。Princetel は、お客様のそれぞれのニーズに応じて、液体充填式と液体フリーモデルの両方を提供しております。

カスタムデザイン

当社すべてのFORJ製品は、特定の要件を満たすためにカスタムメイドすることができます。ウェブサイトをご覧になっても、すぐに解決策が見つからない場合は、お電話でお問い合わせください。私たちがお客様の仕事をどれだけ簡単にさせて頂けるか、たぶんびっくりさせれれるでしょう。

最終更新日2009年7月18日